※企業が従業員に(保険適用外の)PCR検査キット使ったら、医師法違反ではないでしょうか?

個人でのPCR検査キットの使用は控えましょう

忽那賢志 | 感染症専門医
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200422-00174556/

楽天よりPCR検査キットが販売開始となりました。
このキットを用いることで、病院を受診することなくPCR検査が施行可能とのことです。
しかし、PCR検査は医療従事者によって正しい方法で検体を採取し、正しく結果を解釈せねばなりません。
筆者は感染症専門医ですが、一般の方がこのPCR検査キットを使用することは推奨しません。

検体の採取は経験のある医療従事者が行うべき

従来のPCR検査と同等と見積もって感度70%というのは、新型コロナの人が100人検査をしたら70人は陽性と判断される、という意味ですが実際にはこれよりも低くなるでしょう。
なぜなら医療従事者の採取ではなく、自分自身で鼻咽頭拭い液を正しく採取することは難しいからです。

適切に検体を採取しようとすると、これくらい深く綿棒を挿入しなければなりません。
これを自分自身でできるでしょうか?
医師の私でも「無理ッス!」と断言できます。だって怖いですよね。
また検体採取する際には最も出血しやすいキーゼルバッハ部位と呼ばれるところを通りますので、強く擦ってしまえば鼻出血が起こる危険性があります。
やはりこれは医療行為として手技に習熟した医療従事者が行うべきでしょう。

現時点で都内に3万人の無症状の感染者がいると多く見積もっても、楽天のPCR検査キットが陽性となった方の3人に1人は偽陽性となります。 ← ここ重要 ※

「3人に1人が偽陽性の集団」がたくさん病院を受診することでかえって医療機関に負担がかかることになりかねません。