新型コロナに有効なワクチンがいつ実用化されるかははっきりしない。
少し古いが、「ワクチンファクトブック2012」(米国研究製薬工業協会)では、ワクチン開発は通常、10〜15年の歳月がかかり、10億ドル規模の資金が必要になるとしている。
新型コロナでは、資金や制度面での政府支援拡大が期待できるが、WHOはそれでも実用化には早くて12〜18カ月かかるとしている。

となれば、われわれはワクチンや治療薬の開発に注力して希望を維持しつつ、長期化した際のシナリオに基づいた戦略を着々と実行すべきだろう。
それは、政府のコロナ感染対策や経済運営にとどまらない。われわれの働き方やライフスタイルまでにかかわる問題だ。

新型コロナの下での生活や政策のベースとなり、より正確なデータを計測しておくべきものは、実効再生産数と集団免疫状況(既感染者数)だ。
例えば、感染症疫学の専門家が最新のデータを基に、毎日あるいは毎週といった頻度で最新の実効再生産数を公表する。その推計値を見ながら、
政府は経済や国民生活とのバランスを考えて接触削減などの対策を強化すべきか緩和すべきかを検討する必要がある。

また、実際の集団免疫の状況がわかれば、正確な重症化率や致死率を把握できるうえ、
政府が対策によりコントロールする実効再生産数の下でいつ頃、集団免疫率に達するかといった見通しを国民に示すこともできる。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200422-00345872-toyo-bus_all