新型コロナウイルスに対しては、体外診断薬が承認されていない。

実施されているのは、事前に必要な試薬を集めて調整したり、
検査の質を確認したりといった作業が必要になる、自家調整の遺伝子検査などが中心だ。
現状では、受託検査会社や一部の大学病院に限られているが「もし多くの病院で実施されるようになれば、
正しい検査の結果が出るかどうかに施設間差が生じるのでは」と専門家は指摘する。

新型コロナウイルスの遺伝子検査について、ある専門家は、「検体からRNAを抽出する工程など、
施設間差が結果に影響するのではないか。RNAをうまく抽出できないと、結果は偽陰性になる」と指摘する。
厚労省の幹部は「難病の遺伝子検査など、未承認の試薬でも保険適用されたものはある」と前例があることを強調するが、
難病と比較にならないほど、多くの検査が実施されるとみられる上、偽陰性が出れば感染拡大につながるリスクが生じる。
検査の質の担保は避けては通れない課題と言えそうだ。

https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/28/06625/