国連 グテーレス事務総長「感染の影響は不平等を拡大する」
2020年4月10日 7時01分

国連のグテーレス事務総長は、国連安全保障理事会が初めて開いた
新型コロナウイルス対策に関する会合で、
「感染の影響は、人や地域によって異なり、不平等を拡大する」と述べ、
途上国などで弱い立場にある女性への支援の必要性を強調しました。

この会合は、欧米などの理事国が要請して安保理が9日、初めて開いたもので、
国連のグテーレス事務総長は国連が途上国を中心に進める感染対策の現状と課題を
ビデオ回線を通じて報告しました。

この中でグテーレス事務総長は、世界の女性の60%近くが、
正式な雇用契約のない仕事に従事しているとしたうえで、ウイルスの感染拡大によって
仕事を失ったり、家庭内で暴力を受けたりするリスクが高まると指摘しました。

そのうえで、「感染の影響は人や地域によって異なり、不平等を拡大する。
各国の対策では女性の保護を重視すべきだ」と述べ、
途上国や政情が不安定な国で弱い立場にある女性への支援の必要性を強調しました。

国連は先月、途上国の感染拡大と経済的影響を抑えるため、
社会的弱者の保護を含む緊急の支援計画を打ち出していて、
グテーレス事務総長としては、安保理各国に対し資金の拠出を含めた
理解と協力を得るねらいがあるとみられます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012379071000.html