仏刃物襲撃、「テロ攻撃」として捜査開始 容疑者は地元で暮らす難民
2020年4月5日 17:15 発信地:ロマン・シュル・イゼール/フランス

【4月5日 AFP】フランス南東部の町で4日、スーダン難民の男が刃物で複数人を襲い2人が死亡した事件について、当局は「テロ攻撃」として捜査を開始した。

 今回の事件は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、同国全土が封鎖下にある中、
人口約3万5000人の町ロマン・シュル・イゼール(Romans-sur-Isere)で白昼に発生。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)同国大統領は「憎むべき行為」と非難。
対テロ検察当局は「テロの企図に関連する殺人」への捜査を開始した。

 容疑者の男は、この町に住むスーダン出身の30歳代の難民で、
名前はアブダラ・A.-O(Abdallah A.-O)とのみ明かされている。
アブダラ容疑者は、警察とのもみ合いもなく逮捕された。

 検察当局は、「男は歩道でひざまずき、アラビア語で祈っているところを発見された」
と説明している。

 地元ラジオ局フランスブルー・ドローム・アルデシュ(France Bleu Drome Ardeche)
が目撃者の情報として伝えたところによると、男は襲撃の際、
「アラーアクバル(Allahu Akbar、神は偉大なりの意)」と叫んだという。

 また国家警察組合のダビド・オリビエ・ルベルディ(David Olivier Reverdy)氏によると、
警察が容疑者を逮捕しようと駆け付けた際、男は警官に対して自らを殺すよう求めたという。

 ロマン・シュル・イゼールのマリーエレーヌ・トラバル(Marie-Helene Thoraval)町長は
AFPに対し、「男の経路に居合わせてしまった不運な人たちが襲撃された」と述べた。

 町長によると、容疑者はまずたばこ店に入り、店主とその妻を襲った。
その後、精肉店に侵入し別の刃物を手に入れると、町の中心部へ向かい、
ベーカリー前の路上にいた人々を襲撃した。

 精肉店の店主は、「彼は刃物を手にし、カウンターを飛び越えて客を刺し、逃げ去って
いった」と述べ、「私の妻は被害者を助けようとしたがだめだった」と語った。

 現場を訪れたクリストフ・カスタネー(Cristophe Castaner)仏内相は、
2人が死亡し5人が負傷したと説明している。

https://www.afpbb.com/articles/-/3277221