布マスク配布に異論反論「家で作れる」「弱者救済を」「優先順違う」 2020年04月04日土曜日

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、安倍晋三首相が表明した
全世帯への布マスク2枚の配布について、河北新報社は3日、
会員制交流サイト(SNS)の無料通信アプリ「LINE」を使い、読者らに意見を尋ねた。
送料を含め200億円を超す税金の使い道には異論や反論が相次いだ。

 「布マスクであれば家庭でも作れるし、世帯ごとに人数も異なる。
置かれている実態と施政の乖離(かいり)が大きすぎる」
 仙台市太白区の60代男性はこう疑問を投げ掛け、
「まずは医療崩壊を防ぎ、地域の飲食店や非正規労働者など経済弱者の救済をしてほしい」と訴えた。

 回答には、2枚という数と配布先について「病院や介護施設に回すべきだ」などと疑問の声も上がった。
「6人家族にたった2枚のマスクなんて要らない。人工呼吸器の購入など医療関係を少しでも補助して」
「マスク増産に充てて」「緊急事態宣言を先に出してほしい」など、優先順位が異なるとの声が多かった。

 宮城野区のタクシー運転手の男性(39)は「お客さんが減って売り上げががた落ち。
給料も減り生活に影響している」と一刻も早い手厚い支援を求めた。

 「エープリルフールかと思った」「失望した」「愚策」という厳しい意見も多く、
青葉区の男性会社員(61)は「ばらまき政策もここまで来ると喜劇。
志村けん師匠がわが国のリーダーに向かい『大丈夫かぁ』と叫ぶ声が聞こえそうだ」と皮肉った。

 一方、福島市の男性(71)のように「店に並んでも買えない状況のため、
繰り返し使えるマスクは2枚でも大変ありがたい」と賛同する声もあった。(中略)

◎施策目的 明確に/国立病院機構仙台医療センター(仙台市宮城野区)の
西村秀一ウイルスセンター長の話 
 布マスクはウイルスを含む細かい微粒子などを防ぐ機能は弱いが、
(着用した人からの)飛沫(ひまつ)の広がりを抑える効果はある。ただ必要な対策が山積しており、
今打ち出す施策として正しいかは別問題。何の目的でやるのか明確に示してほしい。
ttps://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202004/20200404_13014.html