岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち  「マスク不要論」で感染拡大? 方針変更に怒る国民
4/4(土) 12:00配信J-CASTニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200404-00000002-jct-soci

「もっと早くからマスクをしていたら、新型コロナウイルスの感染拡大を防げたのではないか」
これまでマスクに抵抗があった米国で、そんな怒りの声が今、聞こえ始めた。

2020年4月1日に安倍首相が公表した「日本の全世帯に布マスク2枚配布」については、米メディアでも取り上げられた。

マスクを使用する習慣がないため、もともと店舗でも在庫は少なかった。
長年、米国に住みながら、普通のドラッグストアでマスクを売っていたことに気づかなかったほど、これまで米国とマスクは結び付かなかった。
それだけに今、米国ではいかに事態が深刻化しているかがわかる。

2月29日時点では、米公衆衛生局ジェローム・アダムス長官は、大文字で強調し、ツイッターで次のように訴えた。

真面目に皆さん、マスクを買うのをやめなさい! マスクは新型コロナウイルスの感染から、一般市民を守る効果はない。
でももし、患者の治療にあたる医療従事者が(マスクを)入手できなければ、自身や地域社会を危険にさらすことになる!

ところが4月1日、アダムス長官は米ABCテレビ局の番組で、「医療用マスクは、医療従事者の手に届けるべきだ」としたうえで、
「無症状の感染が、かなり拡大しているのがわかっている」とし、「CDC(疾病対策センター)はマスクについてのガイドラインの見直しを求められている」と主張した。

CDCは一般人のマスク着用について、指針の見直しを始めた。ワシントン・ポスト紙が入手した内部資料によると、「口や鼻をふさぐ簡単な布マスクでも、ウイルスの拡散を防ぐことができる」とされている。
これを受けてトランプ大統領は4月3日、「CDCが何らかの方法で顔を覆うように要請している」とし、国民に対して外出時のマスク着用を推奨すると発表した。
布マスクなら洗って使え、医療従事者のマスク不足を回避できる。

2日の記者会見でトランプ氏は、医療用マスクが不足しないように、「鼻や口を覆うには、スカーフはもっとよいだろう。生地に厚みもあるから」と話した。

米市民の一部からは前々から、「マスクに感染から守る効果がないというのに、なぜ医療従事者は使っているのか」と疑問の声もあがっていた。
そして今、政府の指針が変わったことに、怒りをぶつける人たちもいる。
「政府や専門家の報道を信じて、これまでマスクをしていなかった。あれだけマスクは必要ないと言っておきながら、今になって主張を覆すとは」
「感染拡大前に、マスクをするようになぜ国民に訴えなかったのか。人々は何の予防もなしに、歩き回っていた」
「こんなに多くの命が奪われた。アダムス長官は辞任すべきだ」との声もある。