>>116の続き

――下船した乗客の感染が後になって判明したり、作業に当たっていた厚生労働省の職員や
検疫官に感染者が出たりしました。
14日間の検疫期間中に、乗員・乗客同士での二次感染はおそらく起きていた。そうした懸念があったので、
アメリカやカナダ、韓国、イスラエルなどは、下船した人たちを自国の施設でさらに2週間、追加で隔離した。

ところが日本は、「14日間検疫やったからいいじゃないか」ということでそのまま下船させてしまった。
つまり、官僚にありがちな「自分たちの立てたプランは完璧だ」「完璧でなければいけない」という
自己暗示をかけてしまい、自分たちは間違っていないという物語を信じてしまった。二次感染が
起きているかもしれない、という現実を直視できなかった。

私がYouTubeに動画をアップした翌日の2月19日に、国立感染症研究所が感染者数の推移を公表した。
そこで新しく感染がわかった乗客の数が減っていたが、それがまだ中間報告だということを官僚は
理解していなかった。

――動画を、わずか2日で削除してしまったのはなぜですか?
場外乱闘が起きてしまったから。正しいと言う人たちと、そうじゃないと言う人たちの間で場外乱闘が
起きてしまった。論争は私が望んでいたものではないし、私はそもそも、国や厚労省の対策は
おおむねうまくいっていると言い続けていた。にもかかわらず、そういう論争の道具にされて
しまっている状況が嫌だった。

――3月2日から全国の小中高で一斉休校が始まっています。感染症対策の観点から、この施策の
効果をどのようにみていますか?
よくわからない。子どもたちは感染リスクが低く、重症化や死亡リスクがほとんどないと言われている。
感染伝播の中心でもないと言われている。その中で学校だけ一斉に休むというのは理解できない。

例えば、イタリアでも学校が休みになっているが、保育園も大学も全部休んでいる。
感染が急速に広がっている地域では活動がストップしている企業もある。その一環として学校も
休ませているわけだ。台湾や香港も同様で、日本だけが小中高のみ休ませるのは意味がよくわからない。