※それでは流れに沿って薬の話題をどうぞ。一般人は風邪症状でむやみに鎮痛剤を飲んではいけません。

「イブプロフェンで新型コロナが悪化する?」臨床医に聞いて分かった“飲んではいけない薬”の真偽
3/20(金) 6:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200320-00036753-bunshun-soci

炎症や痛みを抑え、熱を下げる薬(消炎鎮痛薬)であるイブプロフェンは市販の頭痛・生理痛薬の主成分によく使われているだけでなく、
市販のかぜ薬(総合感冒薬)にも配合されている商品があります。たくさんの人が利用している薬なだけに、心配になった人が多かったのではないでしょうか。

「NSAIDsは細胞が障害を受けたときに体内でつくられる『プロスタグランジン』という物質の働きを阻害することで炎症や痛みを抑え、熱を下げます。
しかし、プロスタグランジンの働きが過度に抑えられると、免疫細胞を刺激する『サイトカイン』という物質が過剰に作られることがわかっています。
そのために免疫細胞が暴走して、ウイルスなど外敵だけでなく、健常な細胞や組織まで攻撃するようになるのです。これをサイトカインストーム(サイトカインの嵐)と言います」

 サイトカインストームが起こると、免疫細胞が肺の細胞を傷害して、重篤な肺炎を起こすことがあります。
また、肝臓、腎臓、心臓などの器官も傷害して多臓器不全に陥り、死に至るリスクも高くなります。
松山教授は、中国・武漢で肺炎の死亡者が多かったのは、NSAIDsによるサイトカインストームの多発も一因ではないかと推測しています。

「中国では新コロナウイルスにかかった人が、とりあえず熱を下げようとNSAIDsをたくさん使ったのではないでしょうか。
NSAIDsを使うと必ずサイトカインストームが起こるというわけではありませんが、若くして肺炎を起こした患者さんの中には、これが原因で亡くなった人も多かったのではないかと推測しています」

松山教授がそう推測するには、次のような歴史もあります。

インフルエンザなどウイルス感染症の子どもがNSAIDsの一種であるアセチルサリチル酸(アスピリン)を服用すると、急性脳症(ライ症候群)が増えるという研究結果が米国であったことです。
その要因と考えられたのが、NSAIDsによってサイトカインストームが引き起こされ、脳が炎症を起こしたことでした。

より古くにさかのぼると、1918〜19年にスペイン風邪が世界中でパンデミック(爆発的な流行)を起こし、感染者5億人、死者5000万〜1億人と世界中で多くの犠牲者を出しました。
死亡者には短時間に重度の肺胞炎・肺胞浮腫を起した人が多かったとされていますが、その一つの要因として言われているのがアスピリンの過剰投与による中毒死です

18日にはWHO(世界保健機関)が、新型コロナウイルスが疑われる場合には、イブプロフェンの服用を避けるようにという注意喚起を行いました。
その理由はサイトカインストームを起こすからというのではなく、世界的な医学誌である「ランセット」に新型コロナウイルスの感染を促進して症状を悪化させるという仮説が掲載されたことを踏まえてと報道されています。
また、それが死亡リスクを高めるかどうかについては、WHOは「調査中」としています。