https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-12/Q721TSDWRGG201
ドル・円は大幅続落、米の新型コロナ対策に失望−103円前半
野沢茂樹 2020年3月12日 12:05 JST

東京外国為替市場ではドル・円相場が大幅に下落。新型コロナウイルスを巡るトランプ
大統領の演説内容に失望が広がったほか、米国による欧州からの渡航停止で世界経済悪
化への懸念が深まり、ドル売り・円買いが優勢となっている。円は主要通貨に対して全
面高。

ドル・円は午前11時30分現在、前日比1.2%安の103円34銭。朝方に付けた104円81銭から
一時103円09銭まで急落
ユーロ・ドルは0.4%高の1ユーロ=1.1319ドル。対円では0.7%安の1ユーロ=116円96銭
豪ドルは0.3%安の1豪ドル=0.6466ドル。対円では1.4%安の1豪ドル=66円82銭
ドル・円はリスク回避で急落

市場関係者の見方

しんきんアセットマネジメント投信の加藤純チーフマーケットアナリスト
新型コロナウイルス対策に関するトランプ大統領の演説は流動性供与や給与減税など想定
された事実が出ただけで目玉はなかったと市場は受け止めたようだ
ドル・円のセリングクライマックスは週初の101円19銭できた感じ。きょうECBが恐らく
利下げして、昨日の英国のように経済対策も出揃えば、少し市場も落ち着くだろう

三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)
新型コロナウイルスの米欧での感染拡大に対する恐怖感が広がっており、リスク回避で株
価が下げやすい中でドル・円も軟調。各国の金融緩和や経済対策より感染拡大がいつピー
クアウトするかが焦点
中国や日本は山を越えたようだが米欧は拡大中という違いから、ドルと欧州通貨に下落圧
力。豪ドルなど原油系、コモディティ系の通貨も厳しい
ただ、ECBの定例会合を控えた様子見もあり、下落のスピードも下げ幅も大きくはなら
ないか。市場参加者はいるがポジションを大きく傾ける向きが少なく、ボラタイルな相場
展開が続く