通常、国家備蓄の内訳は安全保障を理由に公表されないことになっている。ナショナル ジオグラフィックがこの点について問い合わせると、
戦略的国家備蓄の高官は、向こう18カ月間で5億枚のマスクとレスピレーターを購入する予定であると答えた。

 だが、今から生産を拡大しても十分とは言えず、すぐに手に入るというわけにはいかなそうだ。
米疾病予防管理センター(CDC)による5年前の調査では、今回のCOVID-19のような重度の呼吸器感染症が米国で流行した場合、
最悪のシナリオで長期的に70億枚のレスピレーターが必要であると予測されていた。当時、この調査結果はあまり注目されることはなかった。

 米国でも感染が拡大し始めた2月下旬、マスクやゴーグル、全身防護服、レスピレーターが世界的に不足するだろうとのCDCの懸念を受けて、各地で人々がマスクなどの買い占めに走った。