健康な成人でも重症化する「サイトカインストーム」
https://toyokeizai.net/articles/-/327764

基礎疾患のない成人が急激に症状を悪化させてしまう現象の1つに、「サイトカインストーム」がある。

ウイルスなど外敵が体内に侵入してきた際に、白血球が攻撃開始にあたって上げる“のろし”が、サイトカインと総称されるタンパク質だ。
これにより体は白血球をさらに動員し、体温を上げてウイルスの増殖を抑えたり、咳や鼻水を生じさせたりと、さまざまな反応を起こす。

このとき、一部の人では、その反応が強く出すぎて自身の体に大きなダメージを与えることがある。それがサイトカインストームである。
はしかやおたふくは子どものうちにかかると軽く済む、というのはよく知られた現象であり、イメージしやすいはずだ。
ほかにも、H7N9インフルエンザやエボラウイルス感染症などで、サイトカインストームが重症化や死を招くことが知られている。

しかし今後の感染拡大に伴い、健康な成人が罹患し、サイトカインストームにより重症化する例も増えてくるだろう。