妄想
妄想とは、明らかに誤った内容であるのに信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられない考えのことです。
「街ですれ違う人に紛れている敵が自分を襲おうとしている」(迫害妄想)
「近所の人の咳払いは自分への警告だ」(関係妄想)
「道路を歩くと皆がチラチラと自分を見る」(注察妄想)
「警察が自分を尾行している」(追跡妄想)
などの内容が代表的で、これらを総称して被害妄想と呼びます。
時に「自分には世界を動かす力がある」といった誇大妄想を認める場合もあります。
妄想に近い症状として、
「考えていることが声となって聞こえてくる」(考想化声)
「自分の意思に反して誰かに考えや体を操られてしまう」(作為体験)
「自分の考えが世界中に知れわたっている」(考想伝播)
のように、自分の考えや行動に関するものがあります。
思考や行動について、自分が行っているという感覚が損なわれてしまうことが、こうした症状の背景にあると考えられることから、自我障害と総称します。