https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55077380R30C20A1EAF000/
米、中国全土に渡航自粛勧告 新型肺炎 緊急事態宣言で
日本は指定感染症の政令施行前倒し
2020/1/31 12:32

【ワシントン=中村亮】世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスによる新型肺炎につ
いて「緊急事態」に該当すると宣言したことを受け、各国は対応を急いでいる。米国務
省は30日、米国人の中国全土への渡航の警戒レベルについて、4段階で最も高い「渡航中
止・退避勧告」に引き上げたと明らかにした。

これまで武漢市を含む湖北省への渡航は最高警戒レベルだった。これとは別に米国務省
は30日、緊急対応要員を除く在中国の米大使館と全ての総領事館の職員や家族の国外退
避を許可した。

勧告は渡航中止を強制するものではないが、米中の人の往来が減る要因になるとみられ
る。米国内で人から人への感染が確認され、全米への拡散に警戒を強めている。

米政府は27日に中国渡航の警戒レベルを上から2番目に高い「渡航の再検討を」に引き上
げたばかりで、危機感を強めていることがうかがえる。米疾病対策センター(CDC)は30
日、米シカゴで新型コロナウイルスの人から人への感染が確認されたと発表した。人から
人への感染が確認された例は米国では初めて。CDCは今後人から人への感染例は増えると
予測する。