新型地対空弾を沖縄に優先配備 中国想定、3年3月までに 2020.1.5 19:46

 政府が巡航ミサイルや戦闘機を迎撃する陸上自衛隊の
新型防空システム「03式中距離地対空誘導弾改善型(中SAM改)」の初配備地として、
沖縄本島を選定したことが5日、分かった。令和3年3月までに配備する計画で、
早ければ今年後半にも一部が置かれる見通し。複数の政府関係者が明らかにした。
中国による攻撃を想定し、防衛能力を維持するため自衛隊や米軍の基地を守る役割を担う。

 2月に米軍ホワイトサンズ射場(米ニューメキシコ州)で発射実験を行い、
陸自第15高射特科連隊(本部・沖縄県八重瀬町の八重瀬分屯地)に
平成29年度予算で初めて調達費を計上した中SAM改を配備する。
令和元年度までに予算化された3セットすべてを沖縄本島に振り向ける方針だ。

 中SAM改は、現在配備されている中SAMと比較して約60キロ以上とされる射程に
大きな変化はないものの、低空を高速で飛ぶミサイルの迎撃能力が向上したほか、
指揮統制能力も改善している。陸自幕僚監部関係者は
「より速く、より多くの標的を迎撃することが可能になる」と語る。試作段階の平成27年に
ホワイトサンズ射場で行った発射実験では巡航ミサイルの迎撃率100%を達成した。

 中国が沖縄本島を攻撃する際は、弾道ミサイルと巡航ミサイルを
大量に発射する「飽和攻撃」を仕掛けると想定されている。
自衛隊は、弾道ミサイルを迎撃ミサイルSM3と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で撃ち落とし、
巡航ミサイルは中SAMなどで迎撃する態勢を取っている。

 第15高射特科連隊は沖縄県内5カ所の分屯地に展開している。
知念(南城市)、勝連(うるま市)、白川(沖縄市)の各分屯地に中SAMを運用する
高射中隊を配備しており、順次新型システムの中SAM改に入れ替える方針だ。
陸自は沖縄本島のほか、奄美大島(鹿児島県)に中SAMを配備しており、
宮古島(沖縄県宮古島市)にも地対艦誘導弾とともに配備する計画だ。
現在、駐屯地建設を進めている石垣島(同県石垣市)でも中SAMの運用を予定している。(以下略)

ttps://www.sankei.com/politics/news/200105/plt2001050010-n1.html