https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200106/k10012236151000.html
ゴーン被告 レバノンでは擁護と批判の声
2020年1月6日 5時24分

海外への渡航を禁じられていた日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告が秘密裏に
中東のレバノンに出国した問題について、レバノンでは擁護する声がある一方、著名な
ジャーナリストが「特権階級にだけ起こることだ」と指摘するなど、元会長やこうした
状況を容認しているレバノン政府に批判的な声も強まっています。

日産自動車のゴーン元会長は、保釈中、海外への渡航が禁じられていましたが、ひそか
に出国して先月30日にレバノンに入国し、近く記者会見を行って、一連の経緯やみずか
らの立場を説明するとしています。

レバノンでは世界的な企業連合のトップに上りつめ成功をおさめたゴーン元会長を擁護
する声がある一方、批判的な声も強くなっています。

レバノンの著名なジャーナリストのダイアナ・ムカレッドさんはNHKとのインタビュー
で、ゴーン元会長について「資金と力があるからこそ入国することができた。これは特
権階級の人々だけに起こりうることだ」と指摘しました。
そして「政府が特別扱いしているとみなされた場合、人々の怒りがさら強まることにな
る」と述べ、レバノン政府の対応によっては、去年10月から続く若者たちの抗議デモが
さらに強まる可能性があると指摘しました。

ゴーン元会長をめぐって、レバノン当局はICPO=国際刑事警察機構からの国際手配
書に基づいて、元会長から話を聞く方針で、レバノン政府の対応にも厳しい目が向けら
れています。