https://news.yahoo.co.jp/byline/puradonatsuki/20200102-00157408/
ゴーン氏の無断出国、仏メディアと市民はどう反応したか?
協定上はフランスへの身柄引き渡しは可能だが
プラド夏樹 | パリ在住ライター1/2(木) 8:00

18時、ル・モンド紙が「ゴーン氏へ限られた支援しかしなかったフランス」というタイ
トルで記事を発表。「これまでフランス政府は、ゴーン氏に対して最低限の援助しかし
なかったと言っても言い過ぎではないだろう。…(中略)…フランス政府は、民主主義
国家であり国交を結ぶ相手として重要な国である日本の司法を尊重してきた。……
事件の初頭から、フランス政府はルノー・日産・三菱アライアンスの存続の方を、ゴー
ン氏の境遇より優位においてきた。ゴーン氏が主張する陰謀説を信用せず、夫人が助け
を求めても応じなかった。」
1月1日朝7時配信のカトリック系ラ・クロワ紙は、「熱狂と皮肉に包まれるガルロス・
ゴーンの帰還。レバノン発」とタイトルし、「ここ、レバノンではゴーン氏の逃亡劇に
関するユーモアと満足げなコメントがSNS上にあふれている。……『この国の政治家の
せいで私たちがはまり込んだ経済低迷から抜け出すのをゴーン氏が援助してくれるなら、
ぜひ閣僚入りして欲しい』といったものもある。……実際に、世界中に離散したレバノ
ン国民の成功のシンボルであるゴーン氏を、財政相に推す人々もいる。……反対に、
現在のレバノン政府の汚職に抗議している人々によるコメントには、皮肉を込めて
『レバノンの司法システムでは、たとえ政治家が毎年何十億と公金を横領しようと、
投獄されることは絶対にないので、ゴーン氏にとっては居心地いいだろう』というも
のもある」と報道した。

ところでフランスの庶民は?
昨晩、筆者はフランス人5人と食事をしたが、ゴーン氏逃亡の話を「おもしろい!やっ
たね!」と言う人は一人だけだった。その他の5人は、「金に任せてなんでもする人と
いうイメージが再確認されただけじゃない?」と。
Twitter上でゴーン氏逃亡劇を面白がる人もいるが、どちらかと言うと「卑怯」といコ
メントが多いように感じた。左派「不服従のフランス党」マノン・オブリー氏は「税
金逃れをしたあとは、日本の司法から逃れてレバノンへ。富裕層がいかに法から逃れ、
国を分断していることか。いったい彼らはいつまで罰を受けない状態がいつまで続く
のだろうか?」と投稿。(後略)