政治学者で五輪についても研究しているジュレス・ボイコフ氏のオピニオン記事は、そのタイトルが「キャンセル・ザ・オリンピック」。
新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、現日程での開催に突き進む国際オリンピック委員会(IOC)を批判し、「世界的な公衆衛生の観点から東京五輪は中止すべきである」と訴えた。


 長文の記事では、世界中から選手や観客が訪れる五輪は、コロナウイルスの異界のようなホットスポットを生み出しかねないと指摘。代替策の検討すらしないのは無謀だとしている。


 この記事に限らず、IOCや大会組織委員会、日本政府が強調する通常開催への反発の声はあちこちで上がっている。現実を見ても、EUも含めて各国で広がる入国・渡航制限は、世界の人々を受け入れる五輪とは逆行する動きでもある。


 これまで中止・延期されたイベントは多くが5月ごろまでに開始予定のものだったが、6月24日から英国で予定されていた有名音楽イベント「グラストンベリー・フェスティバル」も中止に。
ちょうど1か月後に開会式が行われる東京五輪への懸念が強まりそうだ。
 欧米ではもはや東京オリンピックは延期を通り越して、中止にすべきという世論が多数派になりつつある。