https://jp.wsj.com/articles/SB12070710435605274162604585454711352448020
ディープフェイクの偽画像、見破る技術で開発競争
大統領選を前にスタートアップ企業や政府機関、大学が対抗策を模索
By Abigail Summerville 2019 年 7 月 29 日 11:20 JST

「ディープフェイク」と呼ばれる不正に加工した動画や写真に対抗しようと、スタート
アップ企業や政府機関、大学がこぞって取り組んでいる。米大統領選挙を来年に控え、
ディープフェイクが世論操作に利用されることが懸念されている。

動画や写真を加工する技術は急速に進化し、利用しやすくなっていることから、この問
題は解決が難しいと専門家らは話す。しかも、スマートフォンの普及でカメラをいつで
も使用でき、ソーシャルメディア(SNS)で個人が情報を拡散できるため、脅威は増し
ている。SNSを運営する企業も問題への対処に苦慮している。
(略)
・・・英スタートアップ企業セレレイの創業者でCEOのロイ・アズーレイ氏だ。セレレイ
の技術では、写真や動画の撮影時に、基地局や衛星利用測位システム(GPS)の衛星と
カメラとの位置関係などのデータを取得する。同社は保険会社と提携しており、損害賠
償請求の検証に同社の技術が利用されていると述べたが、会社名は明かさなかった。

軍事衝突や株価操作にも
一方、米国防総省は、動画や写真が加工されたものかどうかを見分ける法医学技術を研
究している。光や影、カメラのノイズなど写真や動画の不整合な箇所を基に動画が加工
されたものかどうかを判別する技術だ。
ディープフェイクの高度化によって、他の法医学的戦略も求められている。専門家は、
表情や頭の動きの不整合性にもディープフェイクの証拠を発見した。そこで、そのプロ
セスを自動化し、コンピューターのアルゴリズムでそうした画像や動画の不整合性を検
知できるようにしようとしている。
この手法はスマホやデジタルカメラで撮影された近年の写真や動画だけでなく、数十年
前に撮られたものにも適用できる。これに対し、撮影時に認証する方法は、スマホやデ
ジカメを使用した場合にしか適用できない。