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香港デモ、繁華街で警官隊と衝突 海底トンネル一時封鎖
2019/8/3 23:24 (2019/8/4 8:27更新)

【香港=木原雄士】香港で3日、「逃亡犯条例」改正案に反対するデモがあり、観光客も
多い九龍地区の繁華街、旺角(モンコック)や尖沙咀(チムサーチョイ)で警官隊と衝
突した。若者らはデモが認められたルート以外の幹線道路を占拠して、香港島と結ぶ海
底トンネルの入り口も一時封鎖した。香港政府はデモ隊の取り締まりを強化しているが、
混乱に拍車がかかっている。

警察とデモ隊の衝突は4日未明まで続き、警察は違法集会などの容疑で20人以上を逮捕
した。香港政府は4日未明「抗議活動の中で暴力的な行為があった。法と秩序を無視し、
国家主権に挑戦する過激な抗議者を強く非難する」との声明を出した。

3日午後のデモ行進には主催者発表で12万人が参加した。夜にかけて一部のデモ参加者
が警察の建物を取り囲み、物を投げたり火を付けたりした。警察は午後9時すぎに強制
排除に着手し、催涙ガスを使用した。

条例改正をめぐる毎週末のデモは警察と一部参加者の衝突が常態化している。7月28日
にも激しい衝突があり、44人が暴動罪で起訴された。若者らは警察がデモ隊を厳しく
取り締まる一方で、マフィア組織「三合会」が関与したデモ参加者への暴行事件の対
応が手ぬるいとして批判を強めている。

一方、警察を支持する親中派も3日、香港島で集会を開き、主催者発表で9万人が参加
した。5日には仕事を休んで抗議活動に参加するゼネストが呼びかけられており、経済
活動への影響を懸念する声が出ている。