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「消費税10%への増税は断固阻止すべき」と元安倍内閣ブレーン
ttps://www.news-postseven.com/archives/20190609_1388767.html
 ところが、「第2の矢」である財政政策はまったく放たれていない。誤解している人も多いが、安倍政権は「積極財政」など
ではなく、超のつく「緊縮財政」なのだ。1998年や2009年頃にはGDPの10%程度、約50兆円程度を市場に供給していたが、
安倍政権になってからは資金の供給量は年々減少していき、2017年には3%以下(11兆円程度)にまで縮小している。
ここまで激しい緊縮内閣に変貌してしまったのは2014年に消費増税を断行したことによる。消費増税をして大量のマネーを
市場から吸い上げている一方で、その大半(8割)を、事実上、政府の借金の縮小に回してしまい、市場にはほとんど環流
させなかったため、急激に、市場への供給マネーが縮小してしまった。
 その結果、何が起こったか。実体経済から金融市場にマネーが逆流してしまったために、国民のポケットに供給するマネー
は、増えるどころか逆に縮小してしまった。つまり、実質賃金は過去に類例のないスピードで激しく下落している。

 問題なのは財務省による緊縮財政に尽きる。
 前述の消費増税に規制緩和、そして緊縮財政はいずれもインフレ対策であり、デフレから脱却できないのは当然だ。しかも
「プライマリーバランス黒字化」を閣議決定させてしまったため、科学技術や教育、防衛費、インフラ整備といった重要分野に
大胆な財政出動が出来ない。そもそも「プライバシーバランス黒字化」とは日本の財政赤字を減らすというお題目だが、
日本が財政破綻する可能性は限りなく低い。

 一方、国会で通過した法案は、「移民政策」をはじめとして、種子法の廃止、農協改革、IRカジノの解禁、水道の民営化……
などいずれも、日本のマーケットへの諸外国の大企業の参入を促すばかりだ。まさに今、「日本が売られている」状況に至って
いる。一部の「政商」が日本の富を海外に売り渡し、自分の会社の懐を潤しているのだ。
 さらには日米FTAの交渉を始めるに至っている。トランプ政権は、アメリカの対日貿易赤字の存在を問題視し、この貿易不均衡
を是正せよと激しい圧力を日本政府にかけている。今のTPPはアメリカ抜きで発効されたが、いざ日米FTAの交渉では、TPPで
日本が「差し出した」もの以上のものを「差し出す」ことを前提としてとして、日米FTAの交渉が進められるのは必至だ。
 このままでは日本は30年後にはアジアの貧国の一つとなってしまうのは確実だ。試算したところ現状が続くと世界3位の
先進国どころか、現在の6割程度の年間所得250万円(中央値)へと下落し、史上初の「衰退途上国」に落ちぶれる。他国は現在
の2倍に成長するにもかかわらずだ。ではどうすればいいのか。まず今、日本が衰退しているのは、繰り返すが「緊縮」主義に
よってデフレが深刻化しているからだ。したがって、日本再生の第一歩として、「反緊縮」が必要不可欠だ。