ファーウェイの次は“クルマ”が危うい、中国コネクテッドカー構想が米につぶされる
6/24(月) 7:10配信 ビジネス+IT
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190624-00036589-biz_plus-sci

モビリティー時代を迎えた中国では、急速にクルマのソフトウエア化、人工知能(AI)化、電気自動車(EV)化、自動運転化やサービス化など、
「ガソリンではなくデータで走る」コネクテッドカーの開発が急ピッチで進行中だ。

中国企業による大規模で統一的なコネクテッドカー開発は、5G開発と同様に、トップダウンの政策として実行されている。
事実、電気自動車(EV)やコネクテッドカーは中国が1000億ドル(約10兆9000億円)の補助金を投じる国策であり、「中国製造2025」の重点分野だ。

中国国務院は2017年7月に、「次世代AI発展計画」を発表し、2030年までにAI技術を世界最先端の水準に引き上げるとともに、
関連産業を含め10兆元(約157兆円)を超える市場規模に発展させる目標を掲げており、その中で自動運転車が「戦略的なフロンティア」として規定されている。

この方針を具現化するため、同年12月に中国工業情報化部が公表した「AI産業の発展促進に関する3年行動計画(現在実行中)」では、
車載スマートチップ、先進型ドライバー支援システム、車両制御アルゴリズムなどに重点が置かれており、中国政府の優先順位が高いことがわかる。

このほか、センサー、ソフトウエア、アルゴリズム、インフラ通信システム、車載チップ、コネクティビティ技術、モビリティサービス、デジタルID管理など、セキュリティに直結する要素に資源が集中投入されている。
これら複雑に絡み合ったコネクテッドカー技術開発は、体系的に計画されて資源が効率的に配分され、戦略的に国有企業や民間企業によって実行されている。
結果として、政府から潤沢な補助金と技術重点指定を受けた中国製のコネクテッドカーは安価かつ高性能で、欧米日の自動車メーカーには強敵となる。

米AP通信が2018年11月に報じたように、中国内で販売される中国製のEVは、国内・海外ブランドを問わず、少なくとも61のデータポイントを、
中国共産党が設立した北京理工大学など、政府系のモニタリングセンターに常時送り、メーカーはデータ提供の見返りとして政府からの補助金を受け取っている。

データは交通安全、産業発展や将来的なインフラ計画の目的で使用されると説明されているが、所有者と結び付けられる固有の車両識別番号など、
目的を超える範囲の情報も含まれており、政府による人民の監視データと照合されて使うことが可能だとの批判がある。

さらに、新エネルギー車におけるバッテリーと内燃エンジン切り替えのリアルタイム制御データまでが中国政府に丸見えとなり、民間企業の企業秘密たる制御アルゴリズムを国有企業が盗めるのではないかと懸念されている。
このようなデータ送信の仕組みが、海外に輸出される中国車にも搭載されれば問題化するのは確実だ。