ドラギ氏は6月6日の理事会後の記者会見でも追加緩和をにおわせていたが、不測の事態
が起きれば対応するという説明だった。ただ、今回は「改善がなければ、追加の刺激策
が必要になる」と断言した。いつ追加緩和があってもおかしくないところまで警戒レベ
ルを引き上げたことが、市場を動かしたといえる。

ECBは利下げを検討するFRBの動きもにらみながら、7月にも追加緩和に踏み切るとの
見方も出ている。ドラギ氏は選択肢として、金融政策の先行き指針(フォワードガイダ
ンス)の強化、量的緩和政策の再開、政策金利の引き下げを挙げている。

量的緩和政策は2018年12月に終了したばかりだが、ドラギ氏は「まだかなりの余地があ
る」と踏み込んだ。政策金利を下げる場合には、マイナス金利の副作用軽減策もセット
で示される可能性が高い。