https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45432310Z20C19A5FF8000/
ボルトン米大統領補佐官「タンカー攻撃、イランが機雷設置」
2019/5/29 20:27

【ドバイ=岐部秀光】米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は29日、アラ
ブ首長国連邦(UAE)フジャイラ沖で12日に発生した原油タンカーへの攻撃について
「ほぼ間違いなくイランが設置した機雷によるものだ」と発言した。訪問中のUAEで記
者団に述べた。
ボルトン氏は、フジャイラ沖の攻撃の数日前に、サウジアラビア西部の原油出荷港ヤン
ブーでも攻撃未遂があったと明らかにした。イランやその影響下にある武装勢力の活動
に対し「断固として対応する」と強調した。

米政権内きっての対イラン強硬派とされるボルトン氏は、イランが国内に貯蔵する低濃
縮ウランの量を増やそうとしていることについて「ブレークアウトタイム(核兵器取得
までに要する時間)を短縮すること以外に理由はない」と指摘。あらためてイランによ
る核武装の脅威を強調した。イランは核関連の活動については「平和利用が目的」と説
明している。

米イラン関係は、双方の強硬派が主導する状況から緊張が高まっている。フジャイラ沖
の攻撃ではサウジの原油タンカーなどが被害を受けた。米はイランの脅威に対抗するた
め、1500人の米兵を中東に追加派遣すると決めた。

アラブ諸国は30日にサウジのメッカで緊急首脳会議を開き、イラン問題への対応を協議する。