あえて小型車の電池に力を注ぐ理由とは
2019/04/29 4:40
https://toyokeizai.net/articles/-/278852

経営再建中の東芝が次の成長の柱に掲げるリチウムイオン2次電池「SCiB」で日産自動車から初めて受注した。
日産が約6年ぶりに全面刷新した新型軽自動車「デイズ」に採用(共同開発した三菱自動車の新型軽「eK」にも採用)。
東芝がカルソニックカンセイにセルを提供し、カルソニックカンセイがセルを集めてモジュール化して日産に納入を始めている。

「新型デイズは東芝製電池でないと多くの条件を満たせなかった」。日産の開発エンジニアはそう明かす。
自動車の運転は加減速が多いため、急速な充電が必要なうえ、高い耐久性と安全性が求められる。
東芝製電池はこうした急速充電、安全、長寿命の評価が高く、使いやすいという。

中国のCATLなど世界大手が市場を席巻しており、東芝の名前を聞くことは少ない。

東芝は経営再建の過程で半導体メモリー事業などを売却して稼ぎ頭がなくなる一方、
蓄電池事業を中期経営計画「東芝Nextプラン」の中で成長の柱に据えている。
コミューターやコンパクト、シェアカーには合っており、そこで力を発揮できる。

国内では唯一の製造拠点だった柏崎工場(新潟県)での生産増強が2018年度に完了。
さらに横浜事業所内にも新たにリチウムイオン2次電池の生産工場を約160億円投じて新設する予定で、2020年の稼働を目指している。
今後はEVなど電動車拡大が進むとみており、生産体制を構築していく狙いだ。