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VW、純利益10%減 1〜3月、ディーゼル不正訴訟影響
2019/5/2 16:25

【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)が2日発表した2019年1〜3
月期の決算は、純利益が前年同期比10%減の29億1200万ユーロ(約3640億円)だった。
ディーゼル不正にともなう訴訟などの影響で、約10億ユーロの特別損失が出た。特殊要因
を除く営業利益率の通期見通しは据え置いたものの、6.5〜7.5%の低いレベルになるとした。

売上高は3%増の600億1200万ユーロ(約7兆5千億円)だった。期中の販売台数は260万台
と3%減ったが、単価が高い多目的スポーツ車(SUV)などが増えたことが貢献した。営業
利益は8%減の38億6800万ユーロだった。

一方、訴訟関連の特殊要因を除いた営業利益は15%増えた。デリバティブの評価の見直しな
どが押し上げ要因となった。中国での販売不振の影響が懸念されたが、中国合弁企業からの
利益は横ばいを維持した。

ブランド別にみると主力のVWの乗用車ブランドは営業増益だった。しかしアウディとポル
シェはそれぞれ減益だった。


通期の見通しについてフランク・ウィッター最高財務責任者は声明で「世界経済のリスクは
高まっている。改革の速度を上げなければならない」と引き締めた。拡大を続けてきた自動
車部門の業績は踊り場を迎えている。電動化などへの投資で売上高に占める自動車部門の研
究開発の比率も増えているためだ。