「徴用」めぐる裁判 新たな訴訟に向け説明会 ソウル 1月25日 19時40分

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判で原告の代理人を務めた弁護士らが、
被害者はほかにもいるとして、新たな訴訟に向けた説明会をソウルで開きました。

説明会は、日本の新日鉄住金と富山市に拠点を置く機械メーカー「不二越」を相手取った裁判で
原告の代理人を務めた弁護士と市民団体が開き、会場には遺族などおよそ30人が集まりました。

この中で弁護士は、徴用された被害者はほかにも大勢いるとしたうえで、
「遅くともことし4月末までに提訴する」と話し、
出席者に裁判に必要な書類や費用などについて説明しました。

韓国では、「徴用」をめぐる裁判で去年10月に新日鉄住金に賠償を命じる判決が確定し、
今月、対象となる資産が差し押さえられました。
また18日には、「不二越」に賠償を命じる2審の判決が言い渡されるなど
日本企業に賠償を命じる判決が相次いでいます。

弁護士らは、岩手県釜石市や北九州市にあった新日鉄住金の製鉄所で
戦時中に強制的に働かされた韓国人は少なくとも180人に上るとしていて、
3月上旬まで電話やメールで相談を受け付けるとしています。
韓国では原告になり得る人がおよそ15万人いるとされ、
同様の訴訟は今後、さらに増える可能性もあるとみられています。
説明会に来た83歳の男性は、戦時中に北九州市にあった新日鉄住金の製鉄所で、
父親が過酷な労働を強いられていたと市民団体から教えられて参加したということで、
「当時、私は幼かったので、父がどこで、どのように働かされたのか知らなかった。
連絡はありがたかった」と話していました。
そのうえで、「日本で父が強制的に働かされたと思うと悔しい。
裁判を早く進めてほしい」と話していました。

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