竹中氏批判の東洋大学生語る「組織の問題を指摘」
日刊スポーツ 1/24(木) 23:51配信

東洋大学が、元総務大臣でグローバル・イノベーション学科教授の竹中平蔵氏(67)を
批判する立て看板を21日に校内に立て、ビラを配った文学部哲学科4年の船橋秀人さん
(23)に「退学」を示唆するような発言をしていたことが24日、分かった。

船橋さんは授業前の21日午前9時に「竹中平蔵による授業反対!」と書いた立て看板を
校内に立て、ビラを配るなどしたが、10分後に大学の関係者に撤去され、
学生課の男性職員4、5人に2時間半にわたって事情聴取された。その中で、男性職員から
「性行不良で改善の見込みがないと認められる者」「本学の秩序を乱し、その他学生に
反した者」など、退学に関して規定された学則第57条を示しながら「表現の自由には
責任が伴う。何らかの処分で責任を取ってもらう」などと追及されたという。

船橋さんは今回の行動を起こした要因として、国際化を進め14年に文部科学省から
スーパーグローバル大学に認定され、竹中氏が教授に就任した16年以降、さらに国際化を
加速した大学側が、1887年(明20)に「哲学館」として開学した際から専門分野に
してきた、哲学科を統合再編するなど縮小に向かったことへの疑問があったと語った。

文学部にはインド哲学科と中国哲学文学科があったが、13年度からインド哲学科と
中国哲学文学科が統合され、東洋思想文化学科に再編されたという。
統廃合で1つの科になったため、教授の数と学生の数がつり合わなくなっており、
特にゼミにおいて問題が顕著になっているという。

船橋さんは「ゼミ生は、せいぜい20人が上限で読書会などをするものですが、
今、ゼミには40〜50人くらいの学生がいる。ゼミなのに、やっていることは講義。
哲学を勉強したくて東洋大に入ったのに、これでいいのかと思った」と首をかしげた。
その上で「竹中教授を批判していますが、恨みつらみではなく大学の組織の問題を指摘した
かった。大学は最も自由で、議論が進む先導役になるべきだと思う」などと持論を語った。

また、日本大学のアメフト部の悪質タックル問題で、学生の側から意見を言わない、
言えない状況をニュースで目の当たりにして「こんなので良いのかと思ったし、自分も
批判されているような気持ちになった」と感じたことも、行動を起こした理由だという。