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トランプ米大統領、下院議長に防戦=誤算目立ち、力関係に変化
2019年01月24日18時13分

【ワシントン時事】トランプ米大統領がペロシ下院議長(民主党)の要求で、一般教書
演説の先送りを余儀なくされた。国境の壁建設を国民にアピールして野党との交渉を有
利に運びたい考えだったが、周到なペロシ氏を相手に誤算が目立った。下院を制した民
主党とトランプ政権の力関係に変化が生じている。
 
「既にあなたの招待を受け入れた。29日夜に下院本会議場で会えるのを楽しみにして
いる」。トランプ氏は23日、ペロシ氏に宛てた書簡でこう通告。同氏が3日に一般教
書演説を要請したのは有効として、強行する構えを見せた。
だが、数時間とたたないうちにペロシ氏から返信が届いた。本会議場での演説には上下
両院の決議が必要で、ペロシ氏はこれを採決しない考えを表明。強行しようとすれば
「守衛に阻止される恐れ」(米メディア)さえあり、トランプ氏は断念せざるを得なか
った。
一連の攻防では、ペロシ氏の綿密な準備が目立った。トランプ氏が壁建設に向けて19
日に示した新提案に対しては、発表のテレビ演説直前に「話にならない」と一蹴。23
日の「演説拒否」の書簡も、そこまで明確な反応を予期していなかったホワイトハウス
高官は「不意を突かれた」(CNNテレビ)という。
「驚いてはいない。彼らは犯罪阻止を望まない過激派に成り下がった。恥ずべきことだ」。
トランプ氏は23日、ペロシ氏を批判し、強がるほかなかった。(2019/01/24-18:13)