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[FT]ニューヨーク州でも進む捜査、狭まるトランプ氏の包囲網
2018/9/3 5:50日本経済新聞 電子版  Financial Times
 
トランプ米大統領は、トランプ陣営が2016年の大統領選でロシアと共謀していたのでは
ないかとの疑惑に関する捜査とその捜査を指揮するモラー特別検察官を繰り返し攻撃し
てきた。だが自身の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏が21日、法廷で自分が有罪だと
認めたことで、トランプ氏が法律上抱える問題は、もはやモラー特別検察官による捜査
にとどまらないことがあらためて明らかになった。

モラー特別検察官がワシントンで捜査をどんどん進め、それにどう対応するかトランプ
氏がいろいろ苦慮する中、不動産王である同氏のお膝元ニューヨークでも、多くの検察
官がトランプ氏に対し現在、様々な調査を進めている。

ニューヨーク州南部地区の連邦検察局がコーエン氏から有罪だとの証言を引き出したの
だったが、その2件の選挙資金法違反に関する証言で、コーエン氏はトランプ氏の名前
こそださなかったものの、違法行為は同氏の指示によるものだったことを明らかにした。

一方、ニューヨーク州の司法長官もトランプ大統領の慈善団体を民事で訴えているし、
マンハッタンの地区検察もトランプ氏一族が経営する非上場の複合企業トランプ・オー
ガニゼーションに対し、犯罪捜査を開始することを検討しているとも報じられている。

■もはやトランプ氏に捜査をやめさせる手段はなく…

ワシントンでだけでなく、ニューヨークでも一連の捜査が進んでいることで、トランプ
氏にとってはロシア疑惑以外についても法的リスクの範囲が広がりつつある。このこと
は、もはやモラー特別検察官を解任するなど、いかなる手を打っても自分がやってきた
ことに対する捜査を終わらせることはできない、ということを意味する。