http://www.sankei.com/world/news/180620/wor1806200019-n1.html
2018.6.20 20:33【トランプ政権】
不法移民親子引き離しに共和党からも異論続々 「不寛容政策」問題視

【ワシントン=加納宏幸】トランプ米政権による不法入国者の取り締まり強化で拘束され
た親子が引き離される事案が相次いでいる問題で、与党・共和党のハッチ上院財政委員長、
マケイン上院軍事委員長ら有力上院議員12人が19日、セッションズ司法長官に宛てて
「子供を親から強制的に引き離す政策の実施は支持できない」として中止を求める書簡を
送った。

同問題では米メディアが繰り返し親から引き離された子供が泣く音声や収容施設の映像を
流している。11月の中間選挙を控え、共和党も神経をとがらせているとみられる。

ハッチ氏らの書簡は、トランプ政権による不法移民に対する法執行の取り組みを支持する
とした。ただ、司法省が不法入国者が亡命を希望したり、子供を伴っていたりしても原則、
訴追する「不寛容政策」を実施していることに問題があると指摘し、親子の引き離しを中
止するよう求めた。

メキシコと国境を接する南部テキサス州選出で共和党のクルーズ上院議員は不法移民の家
族が一緒にいることを認める法案を準備しており、同党上院トップのマコネル院内総務は
19日、こうした法整備を支持する考えを示した。

これに対し、トランプ大統領は親子の引き離し問題が起きるのはメキシコ国境への「壁」
建設や、移民が親族を呼び寄せる連鎖移民を防ぐ措置を含む改革に野党が協力しないから
だと主張している。トランプ氏は19日、米議会で共和党下院議員と対応を協議し、移民
制度改革に関する同党の法案を支持すると述べた。