新たな北朝鮮制裁準備か=実務協議にらみ発表見合わせ−米紙

 【ワシントン時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は28日、
米政府が北朝鮮に対する「新たな大規模制裁」を準備していると報じた。
29日にも発表する予定だったが、
米朝首脳会談に向けた実務協議の推移を見守るため、当面見合わせたという。

 米朝両国は27日、南北軍事境界線がある板門店に代表団を派遣し、協議を開始。
トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長による6月12日の首脳会談開催を視野に、
焦点となる非核化方式などをめぐり折衝しているとみられる。
同時に首脳会談の開催予定地のシンガポールでも
警護や儀典に関する米朝間の実務協議が進められる見通しだ。

 ウォール紙が複数の米当局者の話として伝えたところによると、
財務省が準備した制裁は、北朝鮮側からの「攻撃的な言葉」を受けた措置。
中国やロシアの企業を含む30超の対象を想定していたとされる。

 北朝鮮高官は先に、ペンス米副大統領を「政治的なまぬけ」と罵倒し、
これに反発したトランプ氏が、いったんは首脳会談の中止を通告。
北朝鮮側がその後も首脳会談への意欲を示したことなどを踏まえ、
米政府は予定通りの開催を目指し接触を継続している。

 米政府はかねて、北朝鮮との首脳会談が失敗し非核化が進まなければ、
経済制裁を柱とする「最大限の圧力」を継続すると警告している。(2018/05/29-06:23)

ttps://www.jiji.com/jc/article?k=2018052900126&g=int