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 中国の最大の懸念は、北朝鮮の経済破綻か、南北統一により米国の同盟国である
民主的な単一国家が誕生し、アジアにおける米国の戦略的な地位を強めてしまうことだ。
最近の米国、韓国、北朝鮮による協議で、蚊帳の外に置かれたと不安を募らせた中国は、
北朝鮮への経済支援を通じて、朝鮮半島の将来を巡る協議において、
自らの役割を確実にすることを狙っている。

 中国の習近平国家主席は3月下旬と5月初旬に開催した正恩氏との会談を受けて、
経済発展を目指す北朝鮮の計画に支持を表明。
2国間の人材交流や協力を強化することに意欲を示した。

 中国国営メディアによると、2度目の首脳会談の数日後には、
北朝鮮は各主要都市や地方の高官で構成する大規模な派遣団を中国に送り、
北京や上海、陝西・浙江省の産業施設を視察した。

 一方、韓国の文大統領は4月の南北首脳会談で、USBメモリーを正恩氏に渡した。
それには長年にわたる対立の歴史を変えるような、
南北の経済協力に関する青写真が示されていたという。

 こうした提案は、韓国のリベラル派政権が1998〜2008年に実施した「太陽政策」を
彷彿とさせるものだ。太陽政策の下、多い時には5万人の北朝鮮労働者が北の工業団地に
進出する韓国企業で働いていたほか、
北朝鮮の山岳リゾート地には、韓国からの旅行者が訪れていた。

 ただ、北朝鮮は従来以上に厳しい制裁下に置かれているため、
太陽政策の復活は一段の困難を伴う見通しだ。