http://www.sankei.com/politics/news/180113/plt1801130009-n1.html
2018.1.13 07:15
北朝鮮の密輸を海自艦が監視 黄海や日本海、米と連携

北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に反し、石油などの積み荷を海上で船から船に移し
替えて密輸することを防ぐため、海上自衛隊の護衛艦が昨年12月以降、朝鮮半島西側
の黄海や日本海の公海上で警戒監視活動を行っていることが12日、分かった。

自衛隊による北朝鮮の制裁逃れに対する監視活動が明らかになるのは初めて。米国と連
携して不審な船舶を監視し、写真撮影などの情報収集を行っているという。政府関係者
が明らかにした。

ロイター通信は昨年末、複数のロシア船籍タンカーが昨年に少なくとも3回、北朝鮮船
舶に洋上で石油精製品を引き渡していたと報道。昨年10月には韓国の港を出た香港籍
の船が公海上で北朝鮮の船に約600トンの石油精製品を移し替えたことも明るみに出
ている。
トランプ米大統領は昨年12月28日、ツイッターに「犯行現場を押さえた。北朝鮮に
石油が供給されるのを中国が容認していることに非常に失望した」と投稿。米政府は昨
年11月、北朝鮮船による瀬取りの現場を押さえたとする衛星写真も公開し、日本や韓
国など関係国に連携した対応を呼びかけていた。海自の活動はこれに応えたものだ。

自衛隊には瀬取りを取り締まる法的権限はなく、可能な活動は艦艇や艦載ヘリコプター
による監視にとどまる。ただ、政府関係者は「護衛艦やヘリの姿を見せるだけでも抑止
効果が見込めるし、現場の写真を撮影して国際社会に公開することもできる」としている。
一方、防衛省は「自衛隊はさまざまな警戒監視活動を行っているが、その一つ一つにつ
いては公表しない」と表向きは警戒監視活動を明らかにしていない。