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一括交付金は、沖縄振興特別措置法に基づいて創設された沖縄独自の制度である。
使い道が多岐にわたり、自由度が高いのが特徴だ。

これまでの補助制度では適用対象が限られ、十分な展開ができなかった事業についても、一括交付金を充てることで地域の特性を生かした事業を推進することが可能になった。

観光、物流、農業、雇用、人事育成、離島振興など幅広い分野に活用できる一括交付金は、県や市町村にとってメリットが大きい。

その予算が4年連続で減少しているのだ。それだけではない。
一括交付金を減らす一方で、国の直轄事業費は軒並み増やしているのである。

国直轄事業は、国が決定し実行する事業のこと。
18年度予算編成にあたっては、概算要求の段階で総額を決め、国直轄事業を優先的に確保した上で、残った分を一括交付金に回すという手法をとったという。

沖縄の自主性を骨抜きにする一方的な運用変更である。

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一括交付金の減額は市町村の事業にも影響を与えることになりそうだ。
県と市町村は、沖縄関係予算を精査した上で早急に対策会議を開き、影響を洗い直してほしい。

予算折衝とは政治力学が作用する場である。
予算額を決める際に、ある程度、政治判断が働くのは避けられないとしても、今回の政府の対応はあまりに露骨だ。

まさか政府は沖縄を「直轄地」と考えているのではあるまい。

おしまい