https://forbesjapan.com/articles/detail/19236
2018/01/08 15:00
トランプ政権が露呈する「忠誠心の限界」
John Baldoni , CONTRIBUTOR

トランプは、実業界でのトランプの長年のキャリア(そして短い政治経験)を通じて、
自分は周りの忠誠心に報いない人物であることを示してきた。これほど多くの人物が
裏で大統領を批判するのも無理はない。さらに、米文芸誌ザ・ニューヨーカーによる
と、トランプ政権のスタッフ入れ替え率は約30%に上り、近年の政権には見られない
高さだ。

ここには、どの独裁政権にも共通する致命的な欠陥がある。これはワンマンショーで
あり、その主役がつまずけば全体が崩れてしまうことだ。

トランプ政権の終焉(しゅうえん)を語る(特にスティーブ・バノンをはじめとする
敵や側近が流すうわさを根拠として論じる)のは時期尚早だが、トップに立つトラン
プが全く主導権を握れていないのは明白だ。特に、自分自身の管理ができていない。
「完璧な自分像」を汚すあらゆる人や物を猛攻撃する姿勢を無視したとしても、北朝
鮮に関する最近のツイートだけでも十分危機感を呼び起こすものだ。

今回の暴露本は、反トランプ派に対しては彼を嫌うべきあらゆる理由を裏付ける情報
をふんだんに提供するものである一方で、トランプ支持者に対しては注意喚起となる
べきものだ。どのような犠牲を払ってでも、常に自分を最も輝かしく格好良い存在に
見せるという大統領の欲求には、緊急介入が必要であるということを、同著は示して
いる。

米国と世界の行方は、ボタンではなく司令によって核兵器を制御する人物にかかって
いる。トランプの机の上にあるボタンは、核兵器発射のボタンではなく、世話係を呼
んでダイエットコーラを持ってこさせるためのものだ。