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【正論・戦後72年に思う】
民族の生存懸けた政治議論を 保守の立場から保守政権を批判する勇気と見識が必要だ 評論家・西尾幹二氏
http://www.sankei.com/column/news/170818/clm1708180004-n1.html
 今でも保守系の集会などでは当然ながら、安倍晋三政権を評価する人が少なくなく、私が疑問や批判を口にすると
キッとなってにらまれる。「お前は左翼なのか」という顔をされる。今でも自民党は社会体制を支える最大級の保守勢力で、
自民党の右側になぜか自民党を批判する政治勢力が結集しない。欧州各国では保守の右側に必ず保守批判の力が働き、
米国でもトランプ一派は共和党の主流派ではなかった。先進国では日本だけが例外である。
     (中略)
 私は安倍首相の5月3日の憲法改正案における第9条第2項の維持と第3項の追加とは、矛盾していると、6月1日付の
本欄で述べた。そのまま改正されれば、両者の不整合は末永く不毛な国内論争を引き起こすだろう、と。
     (中略)
憲法改正をやるやると言っては出したり引っ込めたりしてきた首相に国民はすでに手抜きと保身、臆病風、闘争心の欠如を
見ている。外国人も見ている。それなのに憲法改正は結局、やれそうもないという最近の党内の新たな空気の変化と首相の
及び腰は、国民に対する裏切りともいうべき一大問題になり始めている。
 北朝鮮の核の脅威と中国の軍事的圧力がまさに歴然と立ち現れるさなかで敵に背中を向けた逃亡姿勢でもある。
憲法改正をやるやるとかねて言い、旗を掲げていた安倍氏がこの突然の逃げ腰−5月3日の新提言そのものが臭いものに
蓋をした逃げ腰の表れなのだが−のあげく、万が一手を引いたら、もうこのあとでどの内閣も手を出せないだろう。