日本でタレントが芸能活動をするには、事務所に所属することが第一歩であり、
その後は事務所の投資を含めてバックアップを受ける。

一方、アメリカでは、エージェントは弁護士と並ぶ俳優の代理人であり、
エージェントにとってタレントはクライアントである。
弁護士が依頼人に投資をしないように、エージェントもタレントには投資をしない。
日本では芸能事務所が所属タレントに演技のコーチを付けることもあるだろうが、
アメリカでは俳優がアクティング・スタジオに通い、その費用はアルバイトをして自分で稼ぐのだ。

日本の芸能関係者は「事務所はタレントに投資をしているのだから、移籍は認められない」と言う。
だが、これは因果関係が逆なのではないだろうか。

つまり、タレントが移籍できないことを知っているからこそ、安心して投資ができるのだ。

「移籍されるかもしれない」という前提では、怖くて投資はできないのである