君が部屋を出たあとぼくはじっと動かない
あたりにただよう 君の残り香を
胸に吸い込み酔いしれる
君の弾いたギターの細い弦は切れたまま
読みかけの本は投げだされたまま
そんなすべてがいとしい
時には花のやさしさでつつんでみたいと思う
時には愛のはげしさで泣かせてみたいと思う
また逢えるのに今すぐに逢いたくて
切なくなる海の底で二人貝になりたい
君がもたれかかった あとののこるクッションに
額をうずめて移り香をさがし
夢のつづきを追いかける
胸にさわぐ想いを口で言えぬもどかしさ
恋はため息か 恋はときめきか
恋は愚かな悩みか
時には花のやさしさでつつんでほしいと思う
時には愛のはげしさで泣かせてほしいと思う
この世のすべて限りある命なら
君と行こう 青い空で二人雲になりたい