そういや、昨日のAbema解説で高見先生が「AIは長い詰め将棋が苦手」と言っていた。
これには2つの理由がある。

1つ目は、通常評価値を算出するAIは、対戦用のもので、前述の(Forward lookingな)
枝刈りを多用している。詰め将棋ではこの手の枝刈りを使用しては正解は導けない。
そのため、詰め将棋専用の総当たり型のロジックが必要となる。ところが、詰みがあるか
無いかは詰め将棋専用のロジックを動かして、詰みを発見しないとわからない。そのため
そもそもこのロジックが発動しない事が多い。そして枝刈り付きで評価した手順は、正しい
という保証が無い。あくまで総じて良い手という事になる。

2つ目は、長い詰め将棋は総当たりであるがゆえに、組み合わせ爆発を招きやすく、いかな
AIでも探索に階乗で時間がかかる(実際には、Backwardな枝刈りでそこまで行かない)。
詰め将棋ではタダで大駒を捨てるような手が良い手(正解)だったりするので、探索順序
(良い手から順に探索できれば時間が節約できる)が定まりにくい。一方人間は、過去に
解いた詰め将棋の経験から怪しい手を直観で導き出す事ができるため、AIとの速度差は
短手数の時ほど差が開かない。