0001ノチラ ★2017/09/17(日) 11:50:02.47ID:CAP_USER
電気自動車(EV)への期待が高まっている。人気を牽引するのは米テスラだ。イーロン・マスク社長は「水素はバカだ」と公言し、未来のクルマといわれた燃料電池車(FCV)を攻撃する。しかしモータージャーナリストの清水和夫氏は「攻撃するのはテスラにとって一番厄介な敵だから」という。清水氏と元朝日新聞編集委員の安井孝之氏の「EV対談」。第3回をお届けします(全5回)。
【安井】最近の電気自動車(EV)への傾斜は欧州での排気ガス問題が一つのきっかけでしたが、もう一つの要素として、イーロン・マスクのテスラの動きが自動車業界に刺激を与えていますね。
【清水】テスラは恐竜を絶滅させた隕石のような存在です。それほど衝撃を与えています。
テスラにとって一番厄介な敵は水素
【安井】ZEV規制がテスラの業績を下支えしているわけですね。
【清水】この規制でホンダやトヨタは年間数十億円のお金をテスラに払っているわけです。それがテスラの大きな収益源になっている。このことが実は、イーロン・マスクが「水素はバカだ」と言い、燃料電池車(FCV、フューエルセル車)を「フール・セル」と揶揄している理由だと僕は思っています。
【安井】なぜですか。
【清水】テスラにとって一番厄介な敵は水素だからです。
ZEV規制は「水素」に移る可能性がある
【清水】カリフォルニアの2018年モデルイヤー以降のZEV規制で、例えばEV1台販売した際に得られるクレジットが1だとしたら、FCは2.5ぐらいのクレジットもらえるようになるんです。カリフォルニア州の考え方として、EVはもう普及期に入ってきたから、クレジットを減らすよと言い始めた。次の高みを狙い、FCVにインセンティブを乗せるよということなのです。2018年からFCV、つまり水素のほうにカリフォルニア州は力を入れようとしている。
【安井】イーロン・マスクにとっては、今のうちにFCVを潰しておかないとクレジットがこれまでのように売れなくなるということですね。だから水素を敵にしているという見立てですか。
【清水】そうだと思います。イーロン・マスクほどの頭脳があればわかるはずです。あらゆるロビーイングで水素を潰すのが、今のイーロンの仕事だと見ています。
【安井】市場関係者やメディアでは、「もうFCVは終わりだ、次はEVだ」という見方がありますが、そうではないという見方ですか。
ドイツも2025年頃にFCV実用化へ
【清水】アメリカの場合はシェールガスが出てきたので、輸入石油に頼らないでもエネルギー自給率は100%の国になりそうなので、どうしても水素が必要だというわけではないですが……。でも大気汚染の原因となる排ガスをゼロにして、長距離をドライブできるのはFCVだけです。さらに日本の場合は水素しかないと考えています。僕はエネルギーの自給率を高めるためにも、日本は水素をあきらめてはいけないと思います。
【安井】なんとなく今、FCVはもう終わったみたいな感じになっていて、しかもイーロン・マスクが、EVが主流になると言うものだから、市場もそう受け止めている。でもこの8月、石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルとホンダ、トヨタが米カリフォルニア州北部で水素ステーションを拡充することを決め、そのプロジェクトに同州のカリフォルニア・エネルギー委員会が約1600万ドル(約18億円)の補助金を出します。カリフォルニア州はFCVの普及にも熱心ですね。
【清水】今年9月のフランクフルトモーターショーでは、ついにドイツメーカーもFCVを2025年頃までに実用化すると言い出しました。もはや水素は脱原発と脱化石を実行するなら、不可欠なエネルギーシステムだと思います。
http://president.jp/articles/-/23114
【安井】最近の電気自動車(EV)への傾斜は欧州での排気ガス問題が一つのきっかけでしたが、もう一つの要素として、イーロン・マスクのテスラの動きが自動車業界に刺激を与えていますね。
【清水】テスラは恐竜を絶滅させた隕石のような存在です。それほど衝撃を与えています。
テスラにとって一番厄介な敵は水素
【安井】ZEV規制がテスラの業績を下支えしているわけですね。
【清水】この規制でホンダやトヨタは年間数十億円のお金をテスラに払っているわけです。それがテスラの大きな収益源になっている。このことが実は、イーロン・マスクが「水素はバカだ」と言い、燃料電池車(FCV、フューエルセル車)を「フール・セル」と揶揄している理由だと僕は思っています。
【安井】なぜですか。
【清水】テスラにとって一番厄介な敵は水素だからです。
ZEV規制は「水素」に移る可能性がある
【清水】カリフォルニアの2018年モデルイヤー以降のZEV規制で、例えばEV1台販売した際に得られるクレジットが1だとしたら、FCは2.5ぐらいのクレジットもらえるようになるんです。カリフォルニア州の考え方として、EVはもう普及期に入ってきたから、クレジットを減らすよと言い始めた。次の高みを狙い、FCVにインセンティブを乗せるよということなのです。2018年からFCV、つまり水素のほうにカリフォルニア州は力を入れようとしている。
【安井】イーロン・マスクにとっては、今のうちにFCVを潰しておかないとクレジットがこれまでのように売れなくなるということですね。だから水素を敵にしているという見立てですか。
【清水】そうだと思います。イーロン・マスクほどの頭脳があればわかるはずです。あらゆるロビーイングで水素を潰すのが、今のイーロンの仕事だと見ています。
【安井】市場関係者やメディアでは、「もうFCVは終わりだ、次はEVだ」という見方がありますが、そうではないという見方ですか。
ドイツも2025年頃にFCV実用化へ
【清水】アメリカの場合はシェールガスが出てきたので、輸入石油に頼らないでもエネルギー自給率は100%の国になりそうなので、どうしても水素が必要だというわけではないですが……。でも大気汚染の原因となる排ガスをゼロにして、長距離をドライブできるのはFCVだけです。さらに日本の場合は水素しかないと考えています。僕はエネルギーの自給率を高めるためにも、日本は水素をあきらめてはいけないと思います。
【安井】なんとなく今、FCVはもう終わったみたいな感じになっていて、しかもイーロン・マスクが、EVが主流になると言うものだから、市場もそう受け止めている。でもこの8月、石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルとホンダ、トヨタが米カリフォルニア州北部で水素ステーションを拡充することを決め、そのプロジェクトに同州のカリフォルニア・エネルギー委員会が約1600万ドル(約18億円)の補助金を出します。カリフォルニア州はFCVの普及にも熱心ですね。
【清水】今年9月のフランクフルトモーターショーでは、ついにドイツメーカーもFCVを2025年頃までに実用化すると言い出しました。もはや水素は脱原発と脱化石を実行するなら、不可欠なエネルギーシステムだと思います。
http://president.jp/articles/-/23114