>>128

アインシュタインが提唱した一般相対性理論においてエネルギーを含め観測される量は一般座標変換で不変な量でなければなりません。

ところが一般相対性理論提唱当初から一般座標変換で不変なエネルギーの定義に困難があったため、その困難を回避しながらエネルギーを計算する様々な試みが行われてきました。

本研究グループは、重力の量子論を研究する過程で一般座標不変なエネルギーの定義を発見しました。そしてこの定義をシュワルツシルトブラックホールに適用することで、ブラックホールは特異点に物質が凝縮した超高密度天体である、ということが分かりました。

さらにこの定義を自然に拡張することで、よく知られた対称性から導かれる保存量とは異なる保存量が宇宙のような全体からなる系に存在することを発見しました。一様等方宇宙の場合に熱力学第一法則を再現することからこの保存量がエントロピーを表すのではないかと推論しています。