今回の能登半島地震の規模、同様に内陸直下型地震で大きな被害を出し規模も大きかった阪神淡路大震災や熊本地震などと比べれても抜けて大きい。
これらの地震を、地震の規模を一番正確に表せるモーメントマグニチュードで統一して表すと、能登半島地震はMw7.5だから阪神淡路大震災のMw6.9や熊本地震のMw7.0と比べてもかなり大きいと分かる。
Mw7.5という規模と比べられる内陸直下型地震を日本の地震で挙げるとすれば、同タイプでは観測史上日本最大と言われる明治時代の濃尾地震である。
濃尾地震の規模はM8.0という数字で有名ではあるけども、これは一昔前の手法である断層の長さと地震規模の経験則や関東大震災の震度分布との比較から推測された数字であり、きちんとモーメントマグニチュードを計算して求められた研究ではMw7.3〜7.4と導き出されている。
http://www.sharaku.nuac.nagoya-u.ac.jp/data/laboall/reports/2003nobi/nobi-distr/pdf/09sato.pdf
能登半島地震はMw7.5だから濃尾地震すらも上回って日本観測史上最大の内陸直下型地震だった可能性もあるのである。
この見方を補強する材料として、地震の規模とほぼ比例する断層の大きさで見ても濃尾地震は約80km〜100km程に対して能登半島地震は約120km〜150kmと、ここでも濃尾地震を上回っている。
この結果から今回の地震は少なくとも濃尾地震クラスであったと見るべきであり、つまり輪島市や珠洲市など能登半島北部はそれだけの巨大な直下型地震に見舞われたという事である。
この事実を見れば、人口密集地ではないことを除けば阪神淡路大震災や熊本地震など近年起きた直下型地震を上回る尋常じゃない類の被害も予測されるのだ。実際に地震発生から5日6日経った今でも被害の全容を掴めていないのは半島の先という地理的要件以外にも、広範囲のあちらこちらで早期復旧は困難なほどの道路の寸断や港の損壊など凄まじい被害を出している事もあるだろう。