偏った性比で進化的に安定する場合の例

局所的配偶競争
一個体の寄主にたくさんの卵を産む寄生蜂では性比が大きくメスに偏る。
これはオスの間のメスをめぐる争いと関係があると考えられている。
この蜂ではひとつの寄主から産まれたオスは、同じ寄主からうまれたメスをめぐって激しく争う(局所配偶者競争:Local Mate Competition)。
このような息子同士があらそう状況では息子の数を減らした方が良い。
これは数理モデルでは以下のように表される。一つの寄主から産まれる子はすべて同じ母親の卵から産まれた子だとしよう。
子の数がn、オスをうむ確率がp (=0~1)と書き表されるとする。ひとつの寄主からうまれるのはすべて自分の子なので、
このような母親の適応度は:W[p] = [娘の数](息子が一匹でもいるとき)or 0(息子が一匹もいない時)
すなわち一匹だけオスを生んで、あとはすべてメスにするのが最適となる。寄主に他のメスの子を産む場合は、
Fisherの性比理論で説明した性比が一対一になる力と、このメスばかり生む力の釣り合うところ(娘を息子よりもより多く生む)が最適戦略になる。