文部科学省は来年度から、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使う再生医療と、病気の原因となる遺伝子を改変する「遺伝子治療」の研究を一体的に推進する方針を固めた。iPS細胞を中心に10年間で約1100億円を投じてきた現行の計画の後継と位置づけ、先端医療分野の国際競争力を高めることが狙いだ。

文科省は、計画を5年かけて実施する予定で、来年度当初予算の概算要求に、関連事業費として120億円程度を盛り込む。

 新たな支援計画では、再生医療と遺伝子治療の融合研究などを進める中核拠点を設ける。融合研究では、患者の皮膚などからiPS細胞を作製、ゲノム編集で病気の原因となる遺伝子を修正したうえで細胞を増やし、体内に戻す治療法の開発などが想定される。中核拠点と他の研究機関、産業界との連携を図り、若手研究者の育成も強化する。

 iPS細胞研究をめぐっては、開発者の山中伸弥・京都大教授のノーベル賞受賞を機に、国が集中的な支援を開始。理化学研究所などが2014年、iPS細胞から作った細胞を目の難病患者に移植する世界初の臨床研究を実施したほか、パーキンソン病、虚血性心筋症などの治療への応用も進む。ただ、一般医療として広く利用されるには至っていない。

 一方、遺伝子治療は、遺伝子を効率的に改変するゲノム編集技術などの登場で、実用化が今後進展すると見込まれている。

一部抜粋
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20220828-OYT1T50021/