もう一点、記事では、ARMやx86-64の代替にしたいというようなことを書いてあるが、その他MIPSであれなんであれ、アメリカが本気になれば、RISC-Vそのものを中国に対して合法的には使わせないという決定はできると思う。
その気になれば、世界に対してLinuxの利用を禁止することさえ可能だと思う。実際、(もう結構前の)一昨年の一時期、HUAWEIがIEEEから外されて、大騒ぎになった。(のちに復帰)
それくらい、米(英)の命令セットアーキテクチャへの支配力やコンピュータの世界における存在感は大きい。
さらにいうと、多くの国が、根本的にアメリカに依存している。

ちなみに、日本は昔、↑でも記載してくれているV30なんかで、本当にintel CPUをレイアウトレベルでコピーし、訴訟に負けている。
(この辺は私がまだ学生にさえなる前の頃のことだが、inside-intelあたりには詳述されている)
当時、訴訟に負けた側は賠償金を支払わなくていい判決ではあり、敗戦的なイメージはつかないように一見見えた。
だがintelは、未来永劫、x86のセカンドソース契約をこの会社とはしなくていいという正当性を勝ち取った。
その後の日本半導体企業の凋落ぶりを見れば、アメリカの強さが改めてわかる。

2010年代前半くらいまで、実は日本企業も設計時に内製シミュレーターなんかを持っていた。
実際に利用してみると、別段海外EDAベンダー製に対して見劣りすることはなかったが、内製である必要性も感じない。
今どうなっているのかはちょっとわからないが、ツールについては、結局、世界的に100%アメリカ依存だろうと思う。
特にOPCで最適化が必要な昨今、CadenceやSynopsysのツールなしにはレイアウトさえ作れないのではないか。

中国の取り組みは素晴らしいと思うが、アメリカからの独立的なことは少なくとも30年くらいは無理そうな気がする。
また独立できても、アメリカ製に対して優れるものを作り上げることはさらに難しいと私は思う。