何年か前、深夜ドライブしてて夜明け前に奥多摩に行ったんだ。
4時か5時くらいだったか、よく晴れた夜だった。
星がよく見えたから駐車場でコーヒー休憩がてら空を見てたら
明るい光点が空を横切っていった。
飛行機の速度よりずっと速いし、飛行音もしない。高高度を巡航するジャンボ機の倍くらいの速度と言えばいいだろうか。
光は点滅もしてないから飛行機では有り得ないし、空に瞬くどの星よりもはるかに明るく大きい。
「なにあれ、UFO? UFO?」
と女の子の声が聞こえたからそっちをみたら、暗がりの中に若いカップルがいた。
男もUFOだUFOだ、やばくね?と騒いでいる。
俺は「あれはISSだよ。まだ夜明け前だけど、遙か高い場所にある国際宇宙ステーションは地球のどこかの曙光を反射しているんだ。」
と、教えてやってもよかったが、リア充は無知のまま死ねばいいと思ってその場を後にした。