>>38
そう、相互扶助機能がコミュニティの最も重要な機能。

で、日本社会は10世紀半ばから14世紀後半まで在地社会で実質的にその機能を喪失していた、
というのが私の分析。

同時に、現代の経済社会の膨張で、現代の日本社会は10世紀と同様のコミュニティ喪失、
相互扶助機能喪失の時代を迎えているんじゃないか、というのが私の懸念。

10世紀以降の日本社会は在地における相互扶助機能の喪失を代償にして非貨幣経済的な商業を発展させ、
同時に在地社会からの経済難民を飲み込んで都や大寺社に付属した都市の成長を実現した。

それが、13世紀以降、宋銭という形で非貨幣経済的商業が貨幣経済商業にシフトしていく中で、
ふたたび庶民が自らの相互扶助の場としてのコミュニティを再生していく。

ただ、ここら辺の経緯は実のところ10世紀という開始時点が日本史屈指の同時代史料の欠落時期なので、
専門の歴史学研究者にとっても手探りの部分が大きいらしい。