>>52
F=maを仮定するより、こっちを受け入れるほうが困難だということはあるが。


エントロピック重力理論
最近、オランダのエリック・フェアリンデさんが提案したエントロピック重力理論が世間で注目を集めている。
通常、重力は電磁気力や弱い力、強い力と同様に、もっとも基本的な相互作用の1つと考えられてきた。
しかしフェアリンデさんの理論では、重力はそのような力ではないと考える。
フェアリンデさんは重力もエントロピー力だと主張をしているのだ。

ここで話の面白さを明確にするため、距離に関してどのような強さの重力Fがかかっているかを、知らないとしよう。

フェアリンデさんは彼なりのホログラフィ―原理を仮定する。
質量Mの物体は、半径rの球の体積中に広がっており、エネルギーを持っている。
一方同じ状況で、半径rの地点の静止する小物体にとっては、このエネルギーが球面上に存在する温度Tの量子重力のミクロな自由度がもつ通常の熱エネルギーに見えるとするのだ。
3次元の体積エネルギーを、2次元の熱的な表面エネルギーと見るため、「ホログラフィ的」と言える考え方だ。

これは大変興味深いことで、質量mを(5)式の両辺にかけて、引力であることを仮定すれば、(6)式のように逆2乗則に従う普通の重力Fが再現されるのだ。

つまり従来のニュートンの重力の法則が、ホログラフィックな考え方から発見論的に導出することができたのである。
このFは温度Tの熱浴が生み出したエントロピー力であり、それが結果として重力とみなせるとするのが、フェアリンデさんの基本的なアイデアである。
上の結果は非相対論的な場合だが、彼の論文ではアインシュタイン方程式もこのような考え方から導けると主張もしている。

ともかくホログラフィー原理に基づいたある1つの理論が初めて観測と比べられた事実は、大変評価されるべきことだ。
今後も、量子エンタングルメントなどの量子情報的視点は「重力とは何か?」という問いに対して深い知見を我々に与えてくれることであろう。
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