>>98
> X線とか放射線の発見時も、すぐには使い道無かったろうね
> 物理と化学の基本的な所はヨーロッパの貴族とか金持ちの趣味と道楽の成果だよ

上のような意見はILC弁護ですぐに持ち出されるんだけどね、残念ながら当時の最先端科学と現在のビッグサイエンスとでは実用との距離が違いすぎるのよ
つまり、上のような意見を言う君みたいな人間こそ、本当の意味で現代物理学の実情を理解しておらず「最先端の科学」といったキーワードのレベルで反応する文系脳の持ち主なんだよね

いいかい、物理学(だけでなく自然現象一般だが)を正しく理解するにはエネルギースケールの違いというのを理解することが不可欠

エネルギースケールが余りにも違う世界はある意味では全くの別世界も同然なのだ

人間が生きているのは体の中で様々な化学反応が正しく行われているからだが、この化学反応のエネルギースケールは数〜数百eV(eVはエレクトロンボルトというエネルギーの単位)
化学反応がその程度のエネルギースケールだというのは例えば水の電気分解は乾電池2個(3Vの電圧)で行える、つまりエネルギースケールは3eVということでも理解できるだろう

大雑把に言えば人間が暮らしている世界のほとんどはこの化学反応のエネルギースケールだと思って構わない

化学反応よりも高いエネルギースケールの世界は原子核反応つまり原子炉や核融合炉の中で起こっている原子核同士の反応の世界だ
これはkeV(千eV=10の3乗eV)〜MeV(百万=10の6乗eV)のエネルギースケールの世界だ
しかし、このMeVのエネルギースケールの反応つまり水素の核融合反応(3MeV程度)ですら人類は自在に操れないどころか核融合の実用化までは100年以上も必要と言われている

さあ、そこでCERNのLHCや今回のILCつまり巨大加速器で初めて起こせる素粒子反応のエネルギースケールはどの位か?という問題だ
実はこれら巨大加速器で起こす反応のエネルギースケールはGeV(十億eV=10の9乗eV)〜TeV(一兆eV=10の12乗eV)という凄まじい規模なんだよ

10の6乗eVの核融合ですら実用化できるのは早くても100年先の技術と言われているのに、それの千倍〜百万倍もの巨大なエネルギースケールの反応を
人類の役に立つようにできるのなど、いったい、何千年先になるのか誰も予測することは不可能だ

だったらば、そんな巨大なエネルギースケールの知的遊戯に巨額の予算を注ぎ込むのは止めて取り敢えずは例えばMeVのスケールまでは人類が自在にコントロール
できるようになってから、その先のGeVやTeVの反応を探究すれば良いではないか

そんな何千億円(どころか建設費の日本負担分と毎年の維持費)だけで何兆円にもなる科学技術予算があるのならば、
・材料科学(化学、物性物理、冶金=金属工学、材料工学など)
・生命科学(医学、薬学、農学など)
・量子情報
といった、巨大加速器よりは桁違いに少ない規模の研究費で行える研究をたくさん行わせたほうが、ノーベル賞とかだけでなく実際に人類に貢献できる研究成果を
色々と挙げられる可能性がILCに全てを注ぎ込むよりも遥かに高い

実際、仮にだが30〜70歳まで40年間、一人の研究者を平均年収(退職金分含め)2千万円(今の日本の実態からはかけ離れた高給だ!)で雇うと合計8億円
その研究者に平均して毎年1億円の研究予算を与えると40年間で40億円
つまり50億円未満で1人の優秀な研究者を若い時期から70歳までそれなりの研究予算(年1億円)を与えて研究させることができる

つまり1兆円あれば200人以上の優秀な研究者を、材料科学・生命科学・(量子)情報科学といった人々の暮らしに確実に影響を与える分野でずっと終身雇って研究させられるのだ

材料科学や生命科学や情報科学などで200人雇って好きに研究させ暮らしを変える素材や難病を治す薬やより安全かつ高速な情報処理技術を生み出してもらうか、
どんなに甘く見積もっても数百年先まで人々の役に立たないと確実に断言できる趣味の ILC を一部の物理学者の知的好奇心を満たすために建設するか、
こう考えれば殆どの人間には答えは明らかだ

ついでに言っておけばCERNでのWEBの誕生は単なる副産物に過ぎない
あれは大きな産物ではあるが、CERNの加速器の成果では全くない
巨大な情報処理を要するプロジェクトを人類が行っていればいずれは誕生した類の技術に過ぎないし
逆に学者同士の信頼をベースにしたセキュリティ的には極めて甘い発想で生まれた技術で
初期はそういう甘い考えの(情報系以外の)研究者たちが強い発言権を持ってW3コンソーシアムを主導してしまったから
現在のWEBの世界は犯罪者天国になってしまっているのだ